トヨタ会長の質の高いプレゼンまとめ
去年、7/4に慶應義塾大学で行われたトヨタ会長(当時)、内山田さんの講演に参加しましたのでそのまとめです。
まず、内山田さんはプリウスの計画責任者だった方でエンジニア出身とあって自動車、ハイブリッド車の構造を深くまで理解されており、難しい話も分かりやすいスライドに纏めてレベルの高い講演でした。
前例のないハイブリッド車の調査•開発〜販売までが、なぜたった三年で実現できたのかについてのお話で、印象的だったのは下記の通り。
〈開発プロセスについて〉
•より精度の高いプロトタイプを作る。
→手戻りを減らし試作数を抑える。
•無駄な議論はせず、ある程度のところでまず試す。代替案は考えない。
→ダメなら次の策を考え試す。
•部門間の壁を取り払う
→開発部の作業完了の次に製造部の作業開始ではなく、設計の段階から製造部が加わり、各種パーツの素材について軽量化を実施し、工数を削減した。
〈プロジェクトの進め方について〉
•責任のなすりつけ合いはさせない。
→責任はチーフエンジニアが取る。
•部分最適ではなく全体最適を意識する。
→結合テストでの手戻りの予防。
•意思決定には役員も出席させる。
→後から方向性を変えさせない。
〈まとめ〉
結局、あまりにも高い目標を設定するといままでのやり方では到達出来ないため、多くの革新が必要になる。結果、プリウスの開発時に生まれたこれらの手法がいまのトヨタでは当たり前でなくてはならない仕事の仕組みになっているそうです。
今後Googleの自動運転の車や、AppleのiOS in the CAR、スマートグリッドやオフグリッドの中での車のあり方が変わってくるでしょう。
その中でのトヨタの立ち居振る舞いが楽しみです。